アメリカやイギリスを米国、英国と漢字表記をするように、インドネシアにも漢字表記があります。国名の多くをカタカタ表記する日本人がインドネシアをあえて漢字表記する必要は限定的ではありますが、知っておいて損はないでしょう。
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と漢字表記に興味があるあなた。ひょっとしたら何かのタイミングでインドネシアの漢字表記が役立つかもしれません。インドネシアの漢字表記について是非参考にしてみてください。
記事の目次
インドネシアの漢字表記は中国語?
「アメリカを漢字で書いてください」と言われた時、多くの方は「米国」と書くのではないでしょうか。わざわざ「亜米利加」と書く人は少数なはず。
さらに、中国語でアメリカを意味する「美国」と書く人はもっと少数。漢字は中国大陸からの文字なので、「漢字で書いてください」という設問ならば、いずれも正解です。
アメリカでも日本語と中国語の表記は異なります。それではインドネシアはどうでしょうか。タイトルにもある通り、インドネシアは漢字で「印度尼西亜」と書きます。
中国では簡体字を使うので、“ア”だけ異なる「印度尼西亞」。
読み方もそれぞれ異なります。単に音を母国語の文字に当てはめたので、中国語読みではYìn dù ní xī yà。
また、英語の発音はìndəníːʒə。あえてカタカナ表記をすると、インダァニィージャ。日本語のインドネシアも、単にIndonesiaをカタカナに当てはめたので、日本語、中国語、英語のインドネシアは全て正しいのでしょう。
インドネシアの国名を漢字一文字で表すと『尼』
アメリカを米国、イギリスを英国と略すように、インドネシアにも略称があります。
インドネシアの略称はずばり「尼」。印度尼西亜の真ん中の文字を使用しています。インド(印度)が「印」という字を使うので、仕方ないのでしょう。
イタリア(伊)、ドイツ(独)やフランス(仏)といった漢字表記は歴史を通じて学んだ方も多いはず。しかし、それぞれの中国語の略称は、イタリアは「意」、ドイツは「徳」、フランスは「法」。
国名漢字については、そもそも表記が異なる国、日本語独自の略称と中国語の略称がある国が混在しているので注意が必要です。
インドネシアで『稲』はダメ、絶対?
略称が大好きな日本人。Twitterやネット記事の見出しでインドネシアを「ネシア」「イネ」「稲」「イ」などと表記するケースを見かけます。文字数が限られている中、端的に「インドネシア」を伝えるための創意工夫と捉えるか差別と捉えるかは、時代や知識の有無、立場によって異なるでしょう。
日本人が「ジャップ」「イエローモンキー」と自称しないように、少なくともインドネシア人は自らをそういった言葉では呼びません。INDOは自他ともに使われます。
日本人にとってインドという国がある以上、今さらインドネシアをINDOとは呼びにくいという声も聞きます。初めは他意も無く使われていた言葉でも、時代背景によってその言葉にネガティブな意味が含まれてしまうことはありますし、使用者が意図せずとも相手を不快にさせてしまう言葉も多くあります。
「尼」という漢字がインドネシアの略称なので、米国や英国と同じようにインドネシアが尼国と認知されれば差別や不快な思いをする人は減るのではないでしょうか。
そのほかにローマ字3文字でINAやIDNが使われます。知識として持っておくと表現の幅が広がるかもしれません。
ジャカルタなどの都市名の漢字表記
カタカナ | ジャカルタ |
---|---|
漢字(日本語) | 加拉巴 |
漢字(中国語) | 雅加达/雅加達 |
日本語 | 漢字 | |
---|---|---|
ジャカルタ | 加拉巴 | 雅加达/雅加達 |
バリ | 拝力/麻籬 | 巴厘/峇里 |
ジャワ | 爪哇/闍婆 | 爪哇 |
スマトラ | 蘇門答剌 | 蘇門答臘/苏门答腊 |
漢字でもさまざまな表記があるインドネシアの地名。日本語の漢字表記はなくとも、当然中国語では全ての地名に漢字表記があります。
発音をそのまま当てた漢字であったり、古くから結びつきのある地域は中国語独自の表記があったりと、インドネシアと中国の歴史も見えてくる地名の表記。インドネシアに限らず、世界の地名の漢字表記を眺めているだけでも新たな発見があるかもしれません。
インドネシアの漢字表記まとめ
インドネシアは漢字で「印度尼西亜」でジャカルタは漢字で「加拉巴」。日常生活では使用することは滅多にありませんが、知識として備えておけばいつか役に立つ日が来るかもしれません。是非インドネシアの漢字表記を覚えてみてはいかがでしょうか?