インドネシアの伝統文化『バティック』とは!?

インドネシアのバティックは、いわゆるろうけつ染めの布を指します。その布で衣服を制作し、インドネシアではビジネスシーン以外にも冠婚葬祭の時の正装として着られています。

長袖はフォーマルな行事に、半袖はオフィスカジュアルのように着ることができます。

日本やインドネシアでバティックの事は耳にしたことがあっても、世界無形文化遺産に登録される代物とは知らない方も多いのではないでしょうか?

  • インドネシアのバティックってどういうもの?
  • インドネシアのバティックの特徴は?
  • インドネシアでバティックを手に入れるには?

と様々な疑問を抱いている方がいると思います。

実際にインドネシアに住んでいる筆者がおすすめするインドネシアのバティックについて紹介します。是非参考にしてみてください。

それでは早速インドネシアのバティックについて紹介していきます。

インドネシアのバティックは高貴な衣装!?


バティックは、布に施したろうけつ染めの技術及びろうけつ染めをされた布を意味します。見た目ではろうけつ染めで作られたバティックも“バティック柄”をプリントされたバティックも区別がつきません。

プリントのバティックなら一着数万ルピア(数百円)で買えますが、手作りのろうけつ染めのバティックだと数百万ルピア(数千円)します。ろうけつ染めのものは裏地にも染色されているので、裏地を比較してみるのをおすすめします。

バティックは溶かしたろうを利用して幾何学模様のデザインを描きます。溶けたろうが付いている部分は染色の時に染まらず、色が付いたらろうを剥がし、別の箇所にろうを溶かし、再度染色、ろうを剥がす…といった作業を何度も繰り返します。

色鮮やかなバティック、細かなデザインが描かれたバティックなど、手作業とは思えないバティックを目にすると驚嘆することでしょう。

ユネスコの世界無形文化遺産に登録されたのは、バティックという衣装ではなく、その制作技術。それに加えて様々な文化的影響を受け、長い歴史の中で培われた文化が世界無形文化遺産として登録されています。

布に染色する手法の起源は紀元前4世紀にエジプト(エジプトではミイラを包む為に使用されており、その後、中国や奈良時代の日本に伝播しました)。

インドネシアにも6~7世紀に伝来してきたと考えられていますが、一説にはインドネシアではトラジャやフローレス、パプアなどのバティックは他地域からの影響を受けていない独自のものと唱えている学者もいるようです。

インドネシアのバティックの特徴は?


インドネシアで見られるバティックは、地域によって色調や柄も千差万別です。また、貴族が着用するデザインがあったり(一般市民は着用に使用料が発生することも)、新郎新婦とその家族が着るための特定の柄があったりと、バティック一つひとつにそれぞれの意味があります。

バティックのデザインはバティックソロ、バティックジョグジャカルタ、マティックマドゥラなど、各地域に独自のものが存在します。ジャワのバティックは沿岸部のペシシールと内陸部のペダラマンに大別されます。どちらにも属さないものはバティック〇〇(地名)と呼ばれます。

多民族、多文化が入り混じるインドネシアにおいて、バティックはアイデンティティを担っているとも捉えられるのではないでしょうか。

日本大使もバティックで公式行事に!


(参照:Ambassador Ishii Masafumi [@jpnambsindonesia]. (2019, June 11). [Photograph of Ambassador Ishii Masafumi, with Sumatra Coffee and Batik]. Retrieved from //www.instagram.com/jpnambsindonesia/)
公式行事に参列する際は、大使もバティックを着用!インドネシアの政府高官がスーツ姿で、大使がバティックを着用している写真もあるほど。

なお、ポップな昼食風景で人気を博している在インドネシア大使のInstagram。親しみやすいポーズに目が行きがちですが、大使のバティックにも是非注目してみてはいかがでしょうか。

昼食がスマトラ料理の時はスマトラのバティックを着ているときもあり、ついついバティックにも目が行ってしまいます。素敵なバティックを着たお姿がインドネシアの人々にも人気を博しています。

ジャカルタでバティックを手に入れるには!?


インドネシアのショッピングモールに行けば、ほぼ全てのモールでバティックを購入することができます。高級モールには高級バティックがあり、ローカル向けのモールにはプリントのバティックが安価に手に入ります。

その中でもおすすめはPasaraya。Blok Mの隣にあり、バティック以外にも民芸品などが販売されており、お土産を買うにはおすすめのショッピングモールです。

タイミングが良ければ、店内でろうけつ染めの作業を目にすることができます。少々値は張りますが、途方もない細かな作業を目にするとそのお値段にも納得してしまうのではないでしょうか。

また、Pasar Mayestikには縫製屋さんが多くあり、好きなバティックの生地を選べば、採寸して仕立ててくれます。3,000円程度で自分のサイズぴったりのバティックを手に入れることができます。

インドネシアのバティックまとめ


バティックの良さは、着てみて初めて実感するのではないでしょうか。とても楽なのに正装なバティックは、暑いインドネシアに最適な衣服

また、明るいデザインのバティックをファッションの一部に上手く取り入れている方を見るとついつい参考にしてしまいます。

日本でもバティックの認知度は徐々に高まっており、島根県美郷町では、町役場の職員のクールビズにバティックを採用。

沖縄のかりゆしのように、日本でもバティックが広がれば夏は快適に過ごせるのではないでしょうか。

実に多種多様なデザインがあるバティック。派手なデザインが好きな方も、落ち着いた色が好きな方も着られるバティック。

無形文化遺産のバティックを是非楽しんでみてはいかがでしょうか?

ジャカルタでろうけつ染め体験!

Jakarta Textile Museum(織物博物館)では、予約なしでろうけつ染め体験が可能。KITAS表示でRp.45,000、観光客はRp.75,000でろうけつ染め体験ができます。

ジャカルタにお越しの際は是非体験してみてはいかがでしょうか?

住所:Jl. Aipda Ks Tubun No.2-4, Tanah Abang, Petamburan, Daerah Khusus Ibukota Jakarta
電話:021-560-6613
営業:9:00-15:00(月曜定休日)
バティック体験実施可能時間:9:00-15:00

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