縁日祭はこんな祭り!
インドネシアの首都ジャカルタのBlokMで行われる縁日祭。縁日祭は当初、BlokMの飲食店を中心にBlokMを盛り上げようと開始したお祭り。初回は3万人ほどの来場者で、田舎の神社で出店を楽しみながら練り歩くようなものでした。その後、年々規模が大きくなり、気付けば優に30万人を超す規模に。
お神輿などの日本の伝統文化、焼きそばやたこ焼き、りんご飴など祭りには欠かせない出店、サブカルチャーのパフォーマンスなど、新旧の日本を詰め込んだ祭りは民間人の日本とインドネシアの交流の場。
縁日祭のメインステージでは大太鼓やインドネシア人歌手による歌など、来場者を虜にするさまざまなパフォーマンスが行われます。サブステージでは合気道の演武、バンドやアイドルによる演奏が行われ、インドネシア人の来場者を魅了し続けるパフォーマンスが途切れずに披露されます。
そして威勢の良い声がこだまする出店が縁日祭の雰囲気をさらに盛り上げてくれます。インドネシア人も日本人も「いらっしゃいませー!」「○○いかがですかー?」と祭り気分を高めてくれる心地よい声。また、コスプレイヤーや浴衣姿で訪れた人、神輿の衣装を着ている人などはインドネシアの来場者から写真撮影を何度もお願いされていました。
縁日祭のフィナーレは和太鼓の演舞と神輿の「そいや!」。2日目には花火も打ちあがり、大玉の花火が上がると「わあー!!」と声を上げる姿はインドネシアも日本も一緒です。縁日祭ではまさに日本の夏の姿が楽しめます。
縁日祭の魅力
インドネシアの縁日祭の魅力はなんと言っても運営側の男気。各々が「楽しむ為に」参加しています。第1回目の縁日祭を企画した際、ここまでの規模になるとは思ってもいなかったことでしょう。数十万人が来場する祭りはボランティアの協力無しでは成立できません。
ボランティアの数は日本人インドネシア人合わせて総勢約1,000人。ボランティアの皆さんの心意気も縁日祭の魅力です。
じゃかるた神輿連
(インスタ:donitianto)
縁日祭の期間中、2日間合計6度BlokM内を回る御神輿。じゃかるた神輿連(Facebook:@jakartamikoshi)は神輿と山車を管理・運営するボランティア団体です。インドネシアで協賛を募り、江戸神輿を製作。縁日祭だけでなく、ジャカルタ日本人学校の学園祭や、ジャカルタ日本祭りにも神輿を提供しています。
その他インドネシアで行われる様々なイベントにも参加。運営側が忙しい仕事の合間を縫って打ち合わせや縁日祭準備に取り掛かっており、それら全てをボランティアの方々が行っています。
なお、山車に乗って太鼓を叩いているのはジャカルタ日本人学校の和太鼓部の生徒とインドネシア人の有志。彼らの存在は祭りのムードを一気に高めてくれます。
「ジャカルタお掃除クラブ」によるゴミ拾い
(Instagram:@jakartaosojiclub)
インドネシアに限らず、祭りの翌日にはどうしてもゴミが散乱してしまいます。そんな中、ボランティアで会場を掃除してくれているジャカルタお掃除クラブ。有志で集まっているインドネシア人には本当に頭が下がります。お掃除クラブが来なくても会場が綺麗に保たれるようになる事がベストなのかも知れません。
最強の「庶民のお祭り」
冒頭でも紹介した通り、インドネシアの縁日祭は当初3万人ほどのイベントでした。携わっている方もインドネシアで事業を行っている人、突然インドネシアに駐在になった人、家族の都合でインドネシアに来なければならなかった人…。インドネシアに長く滞在する人もいますが、ほとんどの日本人は数年で日本に帰ってしまいます。
『インドネシアにいるからこそ感じたい日本』や『インドネシアに伝えたい日本』を最強の有志が行っていることこそが縁日祭の最大の魅力。射的やりんご飴、から揚げなどの出店もインドネシアのさまざまなサークルやBlokMに軒を連ねる日本食レストランが出しています。
損得勘定で考えると、縁日祭は仕事ではないので絶対にやらなくてはならないイベントではありません。それでも縁日祭を楽しみにしている人、来場者の楽しそうな姿、実際に参加して楽しさを感じる人がいるので、有志の皆さんが力を出し合って開催されています。
「お疲れ様です!良かったら召し上がってください!」と運営側に出店の商品を差し入れをうする方。家族の都合でインドネシアに来た子どもたちがパフォーマンスや神輿を担ぐ姿。日本の綺麗な街に憧れて猛暑の中ボランティアでゴミ拾いをするスタッフ。日本文化が好きで和太鼓やサブカルチャーのパフォーマンスを披露するインドネシア人の勇姿。
全ての人が創り上げるのがジャカルタの縁日祭。『最強の庶民のお祭り』たる所以です。
2020年以降の縁日祭は!?
2019年の縁日祭は約35万人の人々が来場し、BlokMの敷地は人で埋め尽くされました。年々規模が大きくなるにつれ、敷地も手狭に。2020年以降の開催は未定。競技場のあるスナヤンのGBKをはじめ、より大きなスペースでの開催となるかも知れません。民間の有志によって成り立っている縁日祭。インドネシアにお住まいの方は是非様々な形で参加してみてはいかがでしょうか?