インドネシアでの就職事情をプロに親身に解説してもらう!

なぜ、いまインドネシアでの就職を考えるのか。そもそも大卒の一括採用の環境がある日本は、大学生にとって就職しやすい環境といえます。企業側が説明会を開催し、そこに応募すればその企業を知ることができます。就職活動ではエントリーシートを提出すれば、一度に複数の企業に応募が可能。

しかし、実際に就職してみると企業とのミスマッチや説明会と異なる状況を目の当たりにする方も多いのではないでしょうか。

ここでは、インドネシアの就職事情を詳しく知るPT. Global Asia Konsultan(R Indonesia: http://r-indonesia.com)の鈴木さんインドネシアの就職事情について伺った内容を紹介します。インドネシアで就職も検討している方は是非参考にしてください。

インドネシアの就職事情とは?

インタビュアー(以降、マタログ)
マタログ
それでは早速いろいろお伺いいたします。
インドネシアの就職事情全般に関する質問です。2019年、インドネシアの就職事情とはどのような状況でしょうか?
鈴木
日系企業の進出も落ち着いてきており、徐々にインドネシア人を中心にオペレーションを行う(現地化)に向かう企業も増え、駐在員を減らす傾向にあります。一方で、現地採用の日本人を雇用するニーズが高まってきているように感じます。

その理由として、コスト高の駐在員を継続的に雇用することにより、圧迫する経費を抑える狙いや、社内に海外志望の人材が不足していることが挙げられます。

インドネシアにある日本人向け求人

マタログ
インドネシア国内でも日系企業の経費の観点や海外志望の人材が減っている背景は耳にします。
実際に現地法人でインドネシアに就職を志望する方々にはどのような求人がありますか?
鈴木
自動車、機械、化学品などのメーカー、商社、金融、サービス業などです。
職種としては日系企業向けの営業職の求人が多くあります。その他、技術職、生産管理、品質管理などの求人も多く依頼が寄せられます。
マタログ
日本人向けの求人は幅広い業種がありますね。インドネシアに進出している日系企業は、縁の下の力持ちのサプライヤーも多く、その数1,500社以上。海外のイメージが強い商社だけでなく、サービス業や技術職の求人も数多くあるのですね。

インドネシアで活躍できる人材の特徴とは?

マタログ
幅広い業種がある中で、インドネシアで活躍する形はさまざまであるのですね。日本とは異なるインドネシアという国で活躍する人々にどのような特徴がありますか?インドネシアであるからこそ求められる要素があれば教えてください。
鈴木
多くの企業は学歴よりも職業経験と人柄を重視しており、インドネシアに住むための強い意志と、仕事に対する意欲の高さを求めています。
マタログ
確かに、企業にとっては渡航費やビザ代を負担して日本から呼び寄せるので、タフさや情熱が求められるかもしれません。
鈴木
そうなんです。タフさや情熱が求められるのはもちろんですが、言語力は職種にもよりますが、日常会話レベルのインドネシア語または英語は必須です。インドネシアでは他文化を受け入れる柔軟性、急な変化に対応できる適応力も必要です。
マタログ
あり得ないようなことが日常的に起こるインドネシア。『柔軟性』や『適応力』は就職する上で必要な要素。インドネシアでお会いする日本人の方々は、ちょっとやそっとの事では動じない鋼のメンタルを持つ方も多いように感じます。

キャリア形成における現地採用のメリット・デメリットは?

マタログ
そもそも、インドネシアで働くメリットについてどのようにお考えですか?
鈴木
仕事上あらゆる分野での経験が積めることではないでしょうか。インドネシアだと日本人は少数精鋭。どの分野でも活躍できるチャンスがあり自分自身のスキルアップは日本にいる時以上に高められるかと思います。インドネシアの現地採用でも現地スタッフが部下につく為、ある程度の裁量や責任が与えられ若手でもマネージャー職につけることもあります。
マタログ
インドネシアでは1人が担当する業務の幅が広がることは多くの方々が口を揃えて仰っていますよね。若くてもバリバリ仕事をこなす人を見かけますし、大変だったエピソードは誰しもが持っているように感じます。
鈴木
その通りです。また、現地採用は自分の意思で決めてインドネシアへ来ているわけですから、インドネシアで働くことで現地のルールや慣習を学び、ご自身の視野も広げられるのではないでしょうか。
マタログ
なるほど。インドネシアで現地採用として働かれている方々は、幅広く知識やノウハウのインプットを積極的に吸収しようとする方々が多いように感じます。インドネシアで就職することによるメリットを伺いましたが、一方、インドネシアで就職するデメリットも伺えますか?
鈴木
デメリットはキャッシュフローと将来設計です。
キャッシュフローに関しては、最近はインドネシアでも好待遇の現地採用の求人も増えているようですが、それでも駐在員と比べると給与も低く保障がないという不安はあります。
いつまでインドネシアで現地採用として働くのか、目標や計画をきちんと立てておかないと、気がつけばお金も貯まらず歳だけ重ねてしまうことだけは避けたいですね。
マタログ
そういう意味では、『柔軟性』『適応力』に加えて『計画性』も必要な要素ですね。続いて、現地採用として就職した方々の今後の目標や計画という点で詳しく質問させてください。

その後のキャリアは十人十色?

マタログ
インドネシアでの一時的、永続的な就職に関わらず、その後のキャリアをイメージできるに越したことはありません。インドネシアを経験された方々のその後のキャリアについてどう思われますか?
鈴木
インドネシアのみならず、海外現地採用で働くことで上記に述べたように様々な経験を積むことができます。特に多様性の中で様々な民族や宗教が共存する環境にあるインドネシアで培われたキャリアは、柔軟な価値観が身につき、今後日本のみならずグローバル化する時代にどこの国でも活躍できることと思います。
マタログ
確かに、インドネシアにいると日本では経験することのない多様性を強く感じます。ジャカルタのモスクと教会が道を挟んで2つあるところは、インドネシアの多様性を表しているように感じます。このように宗教や文化が日本とは全く異なる環境だと、ストレスを感じることもあるかもしれません。インドネシアを経験された方がどのように活躍したか、具体例を教えてください。
鈴木
以前、私のご紹介した方が数年後入社した会社が他国に進出する際、立ち上げメンバーとして異動された方がいます。また、現地採用で採用後、スキルと意気込みをかわれ数年後に本社採用に切り替えられた方もいました。

インドネシアで培ったノウハウを他国や別の企業で役立たせることができるのは、実際に海外で働かなければ身に付かないものでしょう。

マタログ
インドネシアで培ったノウハウを他国で役立たせることは魅力的ですね。そのほかにも本社採用を希望の方は現地採用から入ることもあるのですね。

具体的な給与水準は?

マタログ
インドネシアで現地採用として働く場合、どれくらいの給与がもらえるのでしょうか?
鈴木
あくまでも目安で、経験年数によっても変わってきます。

・事務職:1,200USD~1,800USD
・営業職:1,500USD~2,000USD
・専門職:3,000USD~

管理職となれば+1,000USD~2,000USD程度役職手当が付くところもあります。また、最近では住宅手当等の福利厚生も付帯される企業もあります。駐在員と比較すると給料は低くなるものの、インドネシアでの生活で苦しむことは滅多にないといえるでしょう。

マタログ
専門職でなければ、1,500~1,750USDぐらいが目安ですね。それに加えて海外保険はもちろん、住宅手当や一時帰国手当、さらに車運転手付きの求人も。手取りの金額以上の暮らしができるのは魅力的です。

その他インドネシアでの就職に関する質問!

新卒の採用について

マタログ
海外で挑戦したいと思っている人は新卒にも一定数おりますが、新卒でもインドネシアでの就職は可能でしょうか?
鈴木
実際はビザ申請をしてみないとわからないというのが現状のようです。インドネシアでの就労許可の条件に、外国人労働者が保持している技術技能をインドネシア人に移転することとなっており、大卒者であっても専門分野が就労職歴にマッチしていない場合は申請が通らない場合もあります。ただ、最近は若い方がインドネシアでも活躍している方が増えています。
マタログ
若い方でもインドネシアで就職している方は多いですよね。ビザ申請に手間取ることはありますが、新卒でインドネシアの日系企業に就職している方もいますし、新卒でもインドネシアでの就職に挑戦する価値はありそうですね。

面談はできる!?気になる学歴フィルター

マタログ
インドネシアでの就職先の日系企業は大手が多い印象です。大卒で有名大学卒業でなければならない、などのフィルターはありますか?
鈴木
新卒についての回答でもお伝えした通り、明確なフィルターはありませんが、あくまでも役職に相応しく、相応のスキルを持っていることは必要です。冒頭でも述べた通り、経験や意欲、語学力は求められます。
マタログ
学歴の点で不安な方は、英語やインドネシア語でアピールすることもできそうですね。

学生時代に取り組むべきことは?

マタログ
将来的にインドネシアのみならず海外で就職したいと考えている場合、早めに取り組んでおいた方がいいことはありますか?
鈴木
海外で就職を考えるなら学生のうちから海外インターンや海外ボランティアに参加することをおすすめします。海外インターンシップに参加すると、就職に関する情報を先取りできたり、場合によっては、企業で気に入られてそのまま就職が決まったりすることもあります。
マタログ
調べてみたら、日本語を教えるなどのボランティアは多くあるようです。インドネシアでは日本人のコミュニティが密であるからこそ、居酒屋で内定が出たなど、留学やボランティア中にそのまま就職が決まった(内定が出た)という話は耳にします。
鈴木
はい。行動力やそれにともなって人脈を作っていくことが、海外就職を成功させるための大事なポイントかと思います。
マタログ
留学やボランティアは『就活』ではありませんが、インドネシアでの就職を成功させるという点においては有効活用したい時間ですね。

インドネシアの就職に関するまとめ

インドネシアで就職したら日系企業でも同じ会社とは思えないほど、日本とは働き方が異なります。働き方はもちろん、文化が違えば仕事のやり方も当然のように違ってきます。

インドネシアと日本との違いを知り、インドネシアでの就職や生活を経験することで自らの成長につながるのではないでしょうか。インドネシアでの就職や求人情報を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

監修者関連情報
PT. Global Asia Konsultan 代表 鈴木さん

大学卒業後、東京と中国(北京)にて15年、教育サービス業として様々な業務に従事。
その後、G.A.コンサルタンツへ入社。今までの海外立ち上げ経験を活かし、インドネシア法人[GLOBAL ASIA KONSULTAN]の舵取りをしながら、インドネシア人採用サービスサイト「Jobbank Indonesia」、日本人採用特化サービスサイト「R-Indonesia」の運営に従事。在インドネシア日系企業とのネットワークを築く。

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