大学を卒業した新卒の方の多くは、大学院に進学したり自ら起業したりしない限り、就職活動をします。就職は人生で最も大きなターニングポイントの1つ。後悔のない生き方をするためにも、新卒の皆さんはしっかり考え抜いたうえで納得のいく会社や組織に就職してください。しかし、学校生活が主だった現時点で、将来を決定するかもしれない就職に不安や悩みがある新卒の方がほとんどでしょう。
- 大学卒業したら海外で働きたい
- 新卒がインドネシアで就職することも可能なの?
- インドネシアの求人ってどうなの?
実際にインドネシアで働いている筆者の経験を元に、インドネシアで就職することについて解説します。全て鵜呑みにする必要はありません。新卒のみなさんは是非ご自分の就職活動の参考にしてください。
記事の目次
インドネシアで働くこととは?
新卒の皆さんは、インドネシアで就職することを考える前に「働くこと」とは何か、考えたことはありますか?「単に金を稼ぐこと」「会社を通して社会に貢献すること」「大切な人を幸せにすること」など、様々な意見があることでしょう。新卒の皆さんは、まず「何のために働くか」を明確にしてみてください。
哲学的な答えをお持ちの新卒の方以外、働くことの目的は一般的に以下の3つ分けられます。
- 「自分 – Me」
- 「周囲 – You」
- 「社会 – Them」
上記3つの目的において、日本でも世界中のどこでも、その目的は達成できます。強いて達成できない状況を挙げるなら、医者と患者、店員と客など、日本にいる特定の「周囲(You)」のために直接関与しながら働きたいと思っている新卒の方。そういった新卒の方は、その特定の誰かがインドネシアに同行しない限り、インドネシアでの就職は不可能でしょう。
それ以外に働く目的をお持ちの新卒の方は、インドネシアで就職する扉は開かれていると思っていただいて問題無し。しかし、誰しもが就職できるとは限りません。日本で働けない人がインドネシアなら就職できると思うのは大間違い。では、どんな新卒生なら就職できるのでしょうか?
新卒の求人があるの?
インドネシアでの就職を希望している新卒の方の就職先は、以下に大別されます。
- インドネシアに進出している日系企業(日本人多)
- インドネシアに進出している国際企業(日本人少)
- インドネシアの企業(日本人少)
いずれの企業に就職するにしても、多くの企業では語学力は必須。少なくとも日系企業以外の就職を希望する方は英語かインドネシア語はマスト。TOEICが700点以下の英語レベルの新卒生は、国際企業かインドネシア企業への就職は諦めた方が良いでしょう。ビジネスレベルの英語かインドネシア語を話せなければ、就職できても新卒のあなたが困るのは目に見えています。
英語力またはインドネシア語力に自信のある新卒の方は、例えば日本人が宿泊するホテル、コンサルタントなどの国際企業、または日系メーカーと取引している現地企業などが求人を出していれば挑戦することが可能。大手コンサルタント以外、日本人であることが求められる企業に就職することになるでしょう。
なぜなら、残念ながら新卒の方々は「日本人であること」以外に誇るべき実績がないからです。しかし、仮に求人があって就職できたとしても、給与水準はローカルのインドネシア人よりちょっと良い程度(~15万円)を覚悟した方が良いでしょう。
翻って、インドネシアに進出している日系企業ならば、新卒のあなたでも就職の可能性あり。日本人や日系企業をターゲットにしている不動産や人材などの紹介業、美容サロンなどのサービス業界は未経験者や語学不問の求人を出しています。
「現地採用」という形で就職できますが、新卒の現地採用の給与(~15万円)では贅沢はできません。日本人が現地の人々と同程度の生活をすることはやはり困難なので、たまに日本食レストランで食事をすれば、決して贅沢はできない生活水準です。
新卒がインドネシアで働くことのメリット・デメリット
インドネシアの自律した生活で成長できる点がメリット!
新卒がインドネシアで就職することのメリットは、仕事上では限定的でしょう。勿論、海外で働くことで日本ではできないような仕事ができたり、語学以外の国際感覚が磨かれたりといったメリットはあります。また、インドネシアに関係するビジネスで起業を目指している新卒の方は、インドネシアで就職することで大きなメリットを享受できます。
自分(Me)のために働く新卒の方は、何よりインドネシアで生活できることに魅力を感じることでしょう。加えて、インドネシアで仕事をすることでたくましくなり、ひょっとすると帰国後の就活で有利に働くかもしれません。しかしながら、「インドネシアでなくても大丈夫」「日本が嫌だから」といった理由でインドネシアの就職を希望している新卒の方。
自らの目指すべき将来像をクリアにした上で、ステップアップの第一歩としての就職でなければ、インドネシアでの就職のメリットはあまりないかもしれません。
教育システムが不十分!?インドネシア就職のデメリット
かなり若い企業でない限り、日本の企業は新卒の新入社員に対してはある程度の教育システムが整っている会社が多く、就職直後の新卒生に経験を積ませる土壌ができています。しかし、インドネシアの日系企業は、新卒が就職してくる想定をしていない場合がほとんどです。そのため、実戦でスキルを磨いていくことが求められます。
また、就職後も仕事内容も駐在員のアシスタント業務が主となり、業務の幅が限定的になってしまう可能性もあります。ただし、日本の会社でも新卒がバリバリ働くことは難しいので、そういった意味では日本もインドネシアも新卒の仕事内容は大差がないともいえるでしょう。
現地の日系企業に就職した場合、日本人という理由だけで、現地のスタッフより高給取りになります。仕事ができなければ、現地スタッフから白い目で見られてしまう可能性も。
新卒の求人があってもインドネシアで働くことをしっかり考えましょう
人生において、就職は最大のターニングポイントの1つ。新卒であろうがなかろうが、インドネシア含むアジア圏をはじめ海外で求人があったとして、就職に挑戦することは良いことですし、それを応援する方も多いでしょう。
しかし、無謀な挑戦は時として自分自身を苦しめてしまうことも。自分が何をしたいのか、いつやりたいのか、何故それやりたいのか、どうやってそれを達成するのか…。考え抜いた末、新卒のあなたがインドネシアで就職したいときは、是非一度相談してみてください。