インドネシアへの進出をトータルサポート
【※2019年6月の情報】
インドネシアに限らず、外国に入国するときに必要なのがビザ(VISA)。日本語では査証と言い、渡航先の国が発行する入国許可証のようなものです。
そのため、ビザ無しで入国してしまうと不正入国となり、罰則の対象になってしまうので、注意が必要です。
- 旅行で入国するときもビザが必要なの!?
- 会議だけなのに就労ビザが必要!?
- ビザ申請にいくらあれば安心?
とインドネシア渡航時に不測の事態に陥らないようにしっかりと情報収集しておくことが必要です。このページではインドネシア渡航前にビザについて最低限の知識を理解していただけるものになっています。安心して入国できるようにしっかりチェックしていきましょう。
記事の目次
そもそもビザって何?
ビザについて聞いたことがないという方も多いのではないでしょうか?VISAとは、海外にビジネスでの渡航もしくは、駐在で移住される際に申請をするものです。いわば、渡航先の入国許可証であり、パスポートを保有する旅行者がその国に入国する資格があることを裏付ける証書となります。
そのため、犯罪歴があるなどの身元審査で不適格な方はビザが発行されません。しかし、ビザを取得したとしても入国が認められたことにはなっておらず、あくまでも入国審査が受けられるようになっただけ。渡航先への入国の可否は入国審査の担当官に委ねられます。無事入国審査に通ればようやく“入国許可”が下りたことになりますが、ビザは最後まで気を抜かずにしっかりとしたフローに則り、準備していく必要があります。
ビザの種類
ビザには観光・商用・就労・留学など様々な目的に応じた種類が存在しています。渡航前にあなたの渡航目的を明確化し、必要なビザの種類の確認と、然るべきフローに沿ってビザ発行の準備をしていきましょう。ビザに関する注意を要約すると、30日以上滞在するか否か。就業を伴うか否か。がポイント。
渡航先によって必要なものや、ビザの種類等異なる場合がありますので、渡航先のビザ発行に関する情報を把握した上で準備していくことをおすすめします。ここでは特にインドネシア渡航時におけるビザ関連の注意点を説明していきます。※インドネシアを訪れる日本人は基本的にいずれかのビザの種類に当てはまりますが、上記に当てはまらない方の代表例はリタイアメントビザです。詳細について知りたい方は別途大使館等のサイトで調べることをおすすめします。
まずはバリ島のようなインドネシアの人気のリゾート地に旅行されるような観光ビザに関する内容に移っていきます。
30日間以内の観光ならビザ免除!
日本人が訪れるインドネシアの渡航先はバリ島の他にジャカルタ、バタム島 が9割を占めます。
観光で訪れる方はバリ島やバタム島などの南の島に1週間ほど滞在する方がほとんどではないでしょうか。
インドネシアに観光という目的で渡航される際にはどのようなビザが必要なのでしょうか。結論は、観光で入国する場合、ビザは不要。
入国カード(Arrival card)の渡航目的欄の「Leisure」にチェックすればビザ免除で入国することができます。また、工場訪問を伴わない会議や展示会、セミナーに出席する場合もビザは不要です。なお、延長することはできないので、延長したい場合は一度国外に出なければなりません。LCCを使えば往復1万円以内で済みます。
※ジャカルタのスカルノハッタ空港、バリ島の空港やスラバヤのジュアンダ空港では、入国カード(パスポート番号や滞在先住所を記入する紙)の提出義務が免除されており、その他国内の主要空港でも免除が実施される予定です。
- ①VISA免除後にその他VISAへの切り替えは不可。
- ②VISAが免除されているにも関わらず、入国後に会議以外の商談や仕事をした場合、罰金または国外退去処分、加えて最低6ヶ月間の再入国禁止措置の対象になる。
- ③インドネシアでの本社または代理店の会議出席/国際展示会参加/セミナー等参加/親族訪問もVISAは免除。※工場訪問は禁止
- ④入国時にパスポートの残存有効期間は6ヵ月以上、査証欄空白ページが十分あること(3ページ程度)が必要。また、入国時に提示が求められることがあるので、帰国便の航空券またはe-ticketが必要。
長期観光や出張で商談に参加するときはVOA!
31日以上の長期の観光や会社の出張でジャカルタなどに商談で入国する際は、B213という種類の到着ビザ(VOA:VISA On Arrival)が必要になります。
空港の入国審査のカウンターで取得することができるので、日本国内での諸手続きは不要です。なお、出張が長引いてしまった場合、VOAの有効期間は30日ですが、インドネシアで1度のみ30日の延長が可能なため、最大60日間有効となります。
- ①VOA発行費として500,000ルピアが必要。
- ②入国時にパスポートの残存有効期間が6か月以上必要。
- ③復路または第三国への航空券またはe-ticketが必要。
- ④パスポートの欄査証欄空白ページが2ページ以上必要。
- ⑤日本での事前取得は不要。インドネシアのVOAカウンターで500,000ルピアを支払います。
- ⑥インドネシアの出入国管理局で1度のみ30日間の延長が可能です。(本人が滞在期限の7日前までに要申請)
- ⑦入国審査ブースでの注意点:
-VOAシールがパスポートに貼られ、入国印が押されているかその場で確認する。
-シールが貼られず、緑色のVISA EXEMPTIONのスタンプが押印された場合はシール貼付けを依頼する。
-領収書の半券(FOR APPLICANT)を受け取る。領収書の日付もしっかり確認する。
【VOAの延長時に必要な書類等】
①出入国管理局の各事務所で配布されている申請書
②パスポートの原本及びそのコピー(1部)
③取得済みのVOAのコピー(1部)
④出国のための航空券のコピー(1部)
⑤VOA取得時の領収書
最寄りの出入国管理局の住所:http://www.imigrasi.go.id/index.php/hubungi-kami/kantor-imigrasi
※VOAを取得して入国する際は、入国審査でスタンプが押されているかしっかりと確認することをおすすめします。過去には入国日の1ヵ月前の日付でスタンプが押され、帰国時に「無許可で延長したのではないか」と疑われた方もいました。入国審査官がVISAの制度改正を把握してない場合もあるので、「大丈夫」といわれても粘り強く主張しましょう。
また、航空会社による違いはありますが、帰国便のチケットが無く、出発地で搭乗を拒否された人もいたようです。帰国便のチケットはできる限り手配するようにしましょう。
31日間以上滞在する場合はシングルVISA(B211)
会社の短期研修、短期語学留学、ボランティアなどで1ヵ月以上滞在する方は、入国時にシングルVISAを取得しましょう。
シングルVISAでは60日間の滞在が可能で、入国後、ビザは出入国管理局で最長6ヵ月(30日単位)までの延長が可能です。一度出国したら失効してしまう点、工場関連の訪問が可否などの注意が必要です。シングルビザは工場訪問の有無、取材や撮影の有無でさらに細分化されます。
B211A
工場訪問が許されていないシングルVISA。観光、親族訪問、社会訪問、文化・芸術、政府用務、商業目的でないスポーツ、視察・短期講座・短期トレーニング、商談、商品の購入、講演、セミナー参加、国際展示会参加、インドネシア本社または駐在事務所での会議、トランジット、緊急時の作業など。
B211B
工場訪問が可能なシングルVISA。インドネシア製品価値の向上、コンサルタント、研修、現地支社への監査・品質管理・検査、外国人労働者採用のための実地試験など。現地入国管理局発行の査収発行許可証(VTT)が必要になります。
B211C
取材や撮影を行う際に必要なシングルVISA。在日インドネシア大使館に事前に取材許可申請が必要です。
1年間に何度も訪問する場合はB212のマルチプルVISA!
上記B211Aと同様の目的+監査・品質管理・検査で
1年の間に何度もインドネシアに訪問予定がある方は、マルチプルVISAを取得しましょう。マルチプルVISAの場合、工場訪問は不可です。マルチプルVISAを申請する方の例として、シンガポール等の第3国と行き来することが多い方や、年に複数回31日以上インドネシアに滞在する可能性がある方はマルチプルVISAを申請します。
その際、パスポートの残存期間が申請時に18ヵ月以上であること、インドネシアに入国時に6ヵ月以上あることが求められます。2度目の入国で6ヵ月あっても、3度目の入国で4ヵ月しかなければ、1年間の間でも入国できません。
- ①パスポート全ページカラーデータ
(査証欄空白ページが3ページ以上あること)
※在外公館にてビザを取得する際に原本が必要となります。 - ②顔写真ページのパスポートのコピー(A4サイズ)
- ③証明写真(3cm×4cm)1枚、背景無地(赤色推奨)、3ヵ月以内に撮影されたもの
- ④申請書(在日インドネシア大使館で入手可)
- ⑤招聘状または招待状原本(現地身元保証人によるもの。レターヘッド&社印必要)
- ⑥英文の推薦状原本(日本の所属先によるもの。レターヘッド&社印必要)
- ⑦英文の経歴書(在日インドネシア大使館で入手可)
- ⑧USD1,500以上の残高証明書もしくは通帳のコピー
- ⑨VISA発行手数料としてシングルVISA5,750円、マルチプルVISA12,650円
- ⑩往復航空券のコピーまたはe-ticketお客様控え
- ⑪親族訪問の場合:現地身元保証人のパスポート&KITAS(ITAS書類)のコピー
- ⑫留学目的の場合:入学許可証&現地身元保証人の証明(インビテーションレターで可。詳細は後述。)
インドネシアで働くには就労VISA(C312)!
給与の発生有無、滞在期間を問わず、インドネシアで働く上では、入国時に就労VISAを取得しなければなりません。就労VISAにはいくつか有効期限があり、最大24ヵ月ですが、6ヵ月や12ヵ月の方が多数。
外国人が就く仕事では大卒以上の学歴が必要ですが、近年では職歴も必要となる場合もあるようです。事前に現地の役職に応じた学歴と職歴を確認しましょう。
- ①シングルVISA①~⑧の各種書類
- ②査証発給許可書(VTT)(以下にVTTに関する詳細あり)
- ③往復航空券のコピー(12ヵ月以上の就労VISAの場合は不要)
- ④保険加入証明書 ※海外旅行保険や健康保険証等、日本語表記のみでも結構です
- ⑤雇用証明書(派遣元親会社から) ※5年以上の就労経験が求められます
- ⑥外国人雇用補償金 USD1,200 ※1年間の場合
インドネシアでの就労ビザに必要な書類は上記の通りですが、例えば5年以上の就労経験が無いからといって、100%ビザが不許可になるという訳ではありません。長期(1年)就労ビザは不許可になるも、短期(6ヵ月)就労ビザであれば取得できる場合も。これは駐在員・現地採用者どちらにおいても同様。5年以上の就労経験がないからといって法律に触れる訳ではなく、申請すること自体は全く問題無し。ただ、5年以上の就労経験が無いと就労ビザが取得できない可能性もあるので注意しましょう。
就労VISAを発行してもらう場合、現地の受け入れ会社の協力が不可欠です。受け入れ会社は外国人雇用計画書や推薦状を労働移住局に提出し、VISA発給許可証(VTT)を貰います。VTTが発行され、初めて在日インドネシア大使館に就労VISAを申請することが可能。
就労VISAでインドネシアに入国すると、ITAS(以下にITASに関する詳細あり)、警察や役所への各種届出が必要。ITASは本人出頭の必要(※)がありますが、それ以外は基本的に現地法人の担当者もしくはVISA発行代行会社が行ってくれます。
※空港にて写真撮影・指紋採取実施し、その場で正しいITASが発行された場合は出頭不要
インドネシアに長期留学するには一時滞在VISA(C316)
インドネシアに留学する方は、その期間によってVISAの種類も変わります。
✓30日以内の留学:日本での申請は不要です。VOAでOK。
✓30日~6ヵ月未満の留学:シングルVISA(B211A)を取得。
留学で6ヵ月以上滞在する場合は一時滞在VISAを取得する方が良いでしょう。
その場合、まずは査証発給許可書(VTT)が必要となります。(※以下にVTTに関する詳細有り)VTTが準備でき次第、一時滞在VISAを入手する手続きを取ります。
- ①入学許可証(留学先学校から発行されたもの)
- ②パスポート原本
- ③顔写真ページのパスポートのコピー(A4サイズ)
- ④証明写真(3cm×4cm)1枚、背景無地(赤色推奨)、3ヵ月以内に撮影されたもの
- ⑤英文の履歴書
- ⑥戸籍謄本および住民票
- ※在日インドネシア大使館/総領事館の教育文化部が対応してくれます
VTTが発行されたら、初めて一時滞在VISAを申請することができます。
- ①パスポート原本
- ②顔写真ページのパスポートのコピー(A4サイズ)
- ③証明写真(3cm×4cm)1枚、背景無地(赤色推奨)、3ヵ月以内に撮影されたもの
- ④英文の履歴書と卒業証明書(卒業見込み証明書)
- ⑤日本の学校からの保証書もしくは推薦状(いずれも英文)
- ⑥英文の誓約書(就労など学業以外の活動は行わない旨を宣言)
- ⑦往復航空券のコピーまたはe-ticketのお客様控え(復路はオープンでOK)
- ⑧申請書
- ⑨英文経歴書
- ⑩VTT
申請は品川区のインドネシア大使館もしくは大阪の総領事館に行かなければならないので、インドネシア大使館か領事館に訪れる前に必要書類を事前にしっかり確認することをおすすめします。
なお、大使館の場合、目黒駅と五反田駅から徒歩で行けますが、五反田駅からの方が行きやすいでしょう。
配偶者VISA(C317)
インドネシアに駐在員として働いている方の家族が同居する際に取得するVISAが配偶者VISA。インドネシア国籍の方と結婚し、インドネシアに移り住む方も配偶者VISAが必要になります。
- A <帯同ご家族必要書類・ご赴任者様と同時期にインドネシア入国の場合>
- ①帯同される方のパスポートコピー ※全ページカラースキャン
- ②帯同される方の写真 ※JPEG/PNG 背景単色
- ③戸籍謄本 ※カラースキャン、取得から6ヶ月以内のもの
- B <帯同ご家族必要書類・ご赴任者様が先に渡航、ITAS取得済の場合>
- ①帯同される方のパスポートコピー ※全ページカラースキャン
- ②帯同される方の写真 ※JPEG/PNG 背景単色
- ③戸籍謄本 ※原本、取得から6ヶ月以内のもの
- ④家族証明書申請用紙
- ⑤ご赴任者様 在留届出
現地身元保証人となる就労者のインビテーションレターが必要です。現地会社やVISA発行代理会社が行ってくれます。また、インドネシアに来たら駐在員と同様にITASの申請や各種届出を行いましょう。
世界でも稀な写真背景の色
インドネシアのビザ用の写真は背景が赤でなければなりません。また、襟付きの服で撮影しなければならず、帯同する家族が撮影するには少し面倒なルールがあります。
大きさは6cm×4cm、4cm×3cmなど、その時求められるサイズで対応しましょう。
※写真をCDにデータで入れておくと、エージェントによってはサイズ等加工が可能。
よく分からないその他(VTT、KITAS(ITAS))のこと!
VTT
VTTとは、受け入れ会社や学校が就労VISAまたは一時滞在VISAを発給する上で必要となるVISA発給許可書です。
VTTが発行されなければ、就労VISAや一時滞在VISAの取得もできません。VISAの発行に時間がかかるといわれているのは、このVTTを手に入れるのに手間取っている場合が考えられます。一時滞在VISAを取得するためにVTTが必要な方は、留学先の入学許可書、戸籍謄本や住民票が必要なので、余裕をもって準備することを心掛けましょう。
KITAS(キタス)
ビザが入国許可を証明する書類に対し、KITAS(Kartu Izin Tinggal Terbatas)とは滞在許可を証明するカードです。いかなる理由でもインドネシアに6ヵ月以上滞在する場合は、KITASを取得しましょう。
KITASは身分証明書代わりにもなるので、常に携帯することをおすすめします。なお、現在ではカードタイプのKITASは廃止され、ITAS(Izin Tinggal Terbatas Elektronik)と呼ばれるオンラインシステムへの登録になっております。身分証明書代わりにもなり便利なので、ITASの情報が記入されている紙をラミネート加工してもらい、それを携帯すると安心でしょう。KITASの名称が残り、ITASのことをKITASと呼んでいる場合もあります。
なお、ITAS保有者が出張でインドネシアを離れる際、再出入国のためにはExit/Re-entry Permitが必要。緊急時にすぐに出国できるように、multiple re-entry permitがあると便利でしょう。ITAS保有者は1年間のmultiple re-entry permitを手に入れることができるので、これを持っておくと煩わしい手続きを簡略化できます。
世界でも稀な写真背景の色
インドネシアにはビザの延長を代行してくれる業者がいくつもあります。大手から小規模の会社まで様々です。日本人がいてスピードが迅速であれば、どこも大差はないと思いがちですが、正規ルートで正々堂々と申請する業者や、裏ルートを使ってあっという間に発行してくれる業者などさまざま。
多くの場合はビザ関連の業務に手慣れたローカルスタッフが対応してくれます。必要書類を準備すれば、本人による手続きが必要な場合以外、所定の手続きを代行してくれるので、指示に従うだけでビザの入手ができます。
インドネシアのビザについてまとめ
今回は主要な種類のビザの紹介のみです。高齢者が滞在するうえで必要となるリタイアメントVISAなど、さらに詳しく知りたい方は大使館のサイト等で詳細情報を入手することをおすすめします。
VISAの知識はある程度持っておくようにしましょう。シングルVISAでも工場関連の訪問が許されるVISAや、配偶者VISAなど、慣れない人にとってはインドネシアのビザは少々煩雑です。そのため、インドネシアには日本語で対応してくれるVISA取得代行会社がいくつもあります。
外国に行くときに安心して入国できるに越したことはありません。ビザを取得したい時は事前にしっかりと準備するようにしましょう。
※注意※
ビザ要否に関する情報は、現時点での情報です。法令の改正等によりVISAの規定は変更される場合があります。できる限り最新の情報に更新するように心がけますが、少しでも不明点がある際は渡航前にご自身で在日インドネシア大使館へご確認ください。ビザが不要とされる場合でも、パスポートの種類(機械読み取り式・機械読み取り式でない等)、渡航目的、国籍、または渡航先国の出入国管理局の審査により入国を拒否された場合は、当社は一切その責任を負いかねます。
【※2019年6月の情報】
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