インドネシアの首都ジャカルタを走る地下鉄の全貌!

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ジャカルタで2019年4月1日に開業したMRT。ジャカルタのMRT以外にもインドネシアで行われている鉄道工事はたびたび日本のニュースでも取り上げられますが、現在インドネシアで行われている工事は主に3つあり、三大交通プロジェクトといわれています。1つは中国との入札で話題になったジャワ島高速鉄道。さらに韓国が積極的に参画している軽量軌道交通(LRT=Light Rail Train)。もう1つが今回紹介するジャカルタ都心部を走る地下鉄、ジャカルタ都市高速鉄道(MRT=Mass Rapid Train。以降、MRT)です。

その他にもインドネシアにはジャカルタ市街地と空港を繋ぐ空港鉄道のKereta Bandara(クレタ バンダラ)とジャカルタと郊外を繋ぐKRL Jabodetabek(KRLジャボデタベック)があります。

そんなインドネシアおよびジャカルタの鉄道事情について、

  • MRTはどんな乗り物?
  • ようやく開通したMRTはジャカルタのどこを走るの?
  • ジャカルタの鉄道事業の今後は?

と疑問を抱いているあなた。
ジャカルタの鉄道事情について、ジャカルタのMRTの実車体験を中心に紹介します。インドネシアやジャカルタ市内の鉄道について興味のある方は、是非参考にしてみてください。

足掛け30年!ようやく開通するジャカルタの地下鉄MRT


インドネシアのみならず、2019年3月の開通で日本でも報道されているのはジャカルタ都市高速鉄道、通称MRTです。MRT事業は日本の円借款により実施され、ジャカルタの深刻な交通渋滞の緩和策として期待されるジャカルタ市内を走る地下鉄事業。MRTの構想自体は30年ほど前からありましたが、土地買収や費用の問題があり、工事開始は2013年秋。MRTは工事開始後から6年でようやく運行が開始されます。ジャカルタのMRT事業は土木工事や車両などのハード面のみならず、信号、運行管理や開業後の支援といったソフト面をまとめて日本企業が技術支援を行います

2019年4月1日に開業するフェーズ1の全長15.7kmは東京駅から西荻窪駅や西川口、梅田からは光善寺や西宮と同じくらいの距離。Grand IndonesiaそばのBandaran HIからLebak Bulusまでの13駅を走ります。ジャカルタのMRTは、地下鉄といっても13駅中7駅は高架式なため地上にあります。現時点で地下を通るのはSenayan以北の6駅の区間。北へ向かう時、BlokMを過ぎて青年の像(アチチの像)を避けるようにSudirman通りに入るときに地下に潜ります。

フェーズ2ではBandaran HIから北へMonas、Kotaを通ってKampung Bandanまでの8駅8.1km。合計23.8kmのプロジェクトで完成予定は2020年。これらの駅は全て地下にできる予定です。

地下鉄MRTに試乗してきました!

3月12日から3月末までの試乗期間を経て、4月1日に開業。試乗期間では本番さながらに10分間隔に運行し、24時頃まで運行していました。

地下鉄(MRT)駅構内は綺麗

【駅構内①】

MRTスタッフがお出迎え。いつまでこのサービスは続くのでしょうか。

【駅構内②】

【駅構内③】

ジャカルタのMRTの駅には礼拝室があるところも。

【ホーム(地下)】

警備員が常に巡回しています。事故防止の柵がありますが、電車が来ると扉から「離れろ」と注意されます。

【ホーム(地上)①】

警備員が巡回(談笑)しています。MRT駅構内の入口にはセキュリティチェックのゲートも。

【ホーム(地上)②】

ジャカルタの地下鉄事業といっても、半分ほどは地上を走ります。電車内はエアコンが程よく効いていてとても快適ですが、地上駅に停車してドアが開くと熱波が入ってきてジャカルタの暑さを感じます。

車両は小さめ?

【電車内①】

ジャカルタのMRT車両の座席はクッション性こそありませんが、特に気になりません。

【電車内②】

ジャカルタのMRT車両のつり革は日本より低い位置にあります。

【電車内③】

座席数は日本と同じ。優先席も完備。MRTはTransJakartaのバスとは違い、女性専用スペースはありません。

開業式典の前にはMRTに試乗した一部市民のマナーが問題視されていました。一部の乗客がごみをポイ捨てしたり駅構内で地面に座り込んだりと、地下にあるエアコンで涼しい駅構内ではお弁当を食べる人もいました。SNSなどに投稿するためにつり革にぶら下がるなど、マナーについての懸念がありますが、予防策としてポイ捨ての罰金がRp.500,000(約4,000円)とかなり高額に設定されています。

もちろんマナーの悪い乗客はほんの一部で、ほとんどの人は普通に乗っています。一部の人のせいで汚れてしまったり悪い印象を抱かせたりしてしまうのはとても残念です。

ジャカルタのMRTの特徴

ジャカルタのMRT車両はつり革の位置が低いため、日本の車両よりは小さく感じます。しかし、座席数、車幅は日本とほぼ同じ。1日の利用者は13~17万人を想定していますが、列車の車両が6台なため日本の電車より短いため、朝晩の通勤時間帯だけでなく利用者が多くなれば満員電車になるのは必至。

なお、ジャカルタのMRTは午前5時から午後10時30分頃までの運行となります。ラッシュ時(午前6時~9時、午後4時~7時)は5分間隔で運行し、それ以外は10分間隔で運行します。心配な面もありますが、日本がソフト面の技術移転をしているので、期待してしまいます。なお、試運転では10分間隔で出発時刻も定刻通りに運行していました。

【Bundaran HI→Lebak Bulus】
始発:5:36
終電:22:01

【Lebak Bulus→Bundaran HI】
始発:5:41
終電:22:06

ジャカルタMRTの運賃は1駅区間に乗るとRp.4,000(約30円)でフェーズ1の全区間に乗車するとRp.14,000(約110円)です。基本的には2駅ならRp.5,000、7駅でRp.10,000ですが、乗車駅によって値差があります。

地下鉄(MRT)はジャカルタのどこを走るの?


(出典:https://www.jakartamrt.co.id)
地下鉄(MRT)はジャカルタを南北に縦断します。ジャカルタ在住の日本人も多く住むPondokエリアに比較的近いFatmawati、Blok Mを通り、オフィス街のSudirmanやSetiabutiを抜けGrand Indonesiaそばまでを走ります。フェーズ2が完成したら、コタまで地下鉄を利用して行くことができ、ジャカルタ市内の行動範囲が広がる可能性大。ジャカルタでも朝晩の通勤を電車ですることになる日が来るかもしれません。駅周辺の駐車場の設置・整備が進まなければ、パークアンドライドで駅周辺がとても混雑するのではないでしょうか。開通直後は駐車場の少なさが問題視されています。

さらに現在はFS(Feasibility Study)中ではあるものの、2030年の完成を目途に東西線計画もあり、ジャカルタ郊外のBekasiからTangerangまでを繋ぎます。南北線の駅(Sarinah)を通るため、完成したらジャカルタ内外で東西南北の行き来がかなり容易になることでしょう。

韓国が参画するLRTの路線図


(参照:YouTube韓国鉄道施設公団チャンネル)
一方、韓国が参画しているLRT事業。LRTは2004年からキャンセルを繰り返しているジャカルタ市内のモノレール計画の代替案として計画され、当初は2018年のアジア大会までの開通を目標としていたものの、19年の開通目標に後ろ倒し。環状線となっており、韓国側は魅力的な構想を発信しています。現時点ではLRTとMRTのハブとなる駅はありませんが、MRT、LRT、KRL、在来線などを上手く活用すれば、徐々にジャカルタ市内外への移動が楽になるかもしれません。

ジャカルタのMRTに乗車した体験談


朝晩の渋滞が悩みの種となっているジャカルタ。世界でも最も渋滞が酷い地域の1つであり、1年間で経済損失は約6.5兆ルピア、時間も1人当たり20日間は渋滞で損をしているという試算結果があるほど。そんなジャカルタでオフィス街から住宅街までを繋ぐ地下鉄はとても魅力的です。インドネシアに進出している日系企業のオフィスが多くあるSudirman通りは常に渋滞しており、その地下を通るMRTはジャカルタ市民の足になること間違いなし。

MRTを使えば、Sudirman通りの北にあるDukuh Atas駅からCipete Raya駅まで、約15分。MRTは何時に乗っても15分ほどで到着するので、これまでできなかったジャカルタ市内の移動時間の計算ができてとても楽に。通常、帰宅ラッシュとなる18時にタクシーで同区間を移動した場合、所要時間は1時間15分で約Rp.65,000(約500円)。雨が降ると更に渋滞が激しくなります。400円と1時間を節約でき、日常的に使えば帰宅時間の大幅な節約ができそうです。

なお、Cipete Raya駅からLOFT(じゃかるた市場)までは徒歩5分30秒ほど。一部バイクが歩道を塞いでいる場所もあるため、2人並んで歩くことができないスペースもあります。Fatmawati通りは交通量が多く、小さなお子さんを連れて行くのは少し心配ではありますが、それでもCipete Raya駅からは徒歩圏内。ジャカルタ中心部に住む人はBlok Mより南に行くのをためらったり、南ジャカルタに住む人はSudirmanまで行くのが億劫に感じていたりしたことでしょう。MRTでそんな悩みも解決されるのではないでしょうか。

ジャカルタの渋滞についてまとめていますので、気になる方はこちらをチェックしてみてください。

ジャカルタのMRTについてまとめ

ジャカルタでは3 in 1や奇数偶数制度を導入しても、改善されない交通渋滞。ジャカルタ市内の地下鉄MRTやLRTの開発が順調に進めば、自動車以外の交通手段が増え、渋滞緩和が期待されます。一方、MRTを使ってみるとSudirman以外は歩道が狭く、『公共交通機関+徒歩』では移動する気にならないのも事実。地下鉄MRTなどの公共交通の整備、さらに歩道の整備など、急増する人口に対応するインフラ開発は至難の業でしょう。

今回の地下鉄MRTが走るのは、ジャカルタ市内のほんの一部にすぎません。劇的な交通緩和はできないかもしれませんが、都市開発の第一歩としてインドネシアおよび大都市ジャカルタの変遷を楽しみたいと思います。

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