JJSが単なる日本人学校だと思っていませんか?
【2019年6月編集】
単なる日本人学校だと思ったら大間違い。日本から離れたジャカルタという地で共に、学び、共に成長できる環境は、お子さんにとっても貴重で有意義な経験そのものになります。
何を隠そう私は当校の卒業生。私が過ごしていた時とはかなり違うことも多いかもしれませんが、ベースとなる部分はほとんど大きなところはないそうです。
このページでは、そんな貴重な経験がなぜできるのか、このページではJJSの特徴から紐解いて解説!『ジャカルタ日本人学校ってどんな施設?』『どんなイベントがあるの?』とJJSを知りたい方は是非ご覧ください!
早速学校の内容を確認していきましょう。
記事の目次
1000人の生徒を誇るJJSとその魅力とは?
JJSの魅力は何といっても生徒や先生方が作り出す一体感。生徒数のほとんどは父兄のジャカルタ赴任に伴い、日本や世界各地の小中学校から転校してきた子供たち(1割弱の生徒は、生まれてからジャカルタに住んでいる日本国籍を持った子供たちです)。
父兄のジャカルタ赴任期間と同様に多くの生徒は3~5年の在学期間となり、日本の学校と比べ物にならないほど、生徒の入れ替わりが激しいのが特徴です。
1年間に1学年の10人がジャカルタを去り、10人が転入することも珍しくありません。そのため、皆が転入生であり、転校を経験している子供たちだからこそ、転入生とは自然と打ち解けあえる土壌ができ上がっている学校です。
そして、それを支える教職員も信頼できる人が多いのもその特徴の1つ。多くの教員は文部科学省の任命の元、JJSに派遣された先生方です。その際、以下の何れかの派遣資格を満たさなくてはならず、経験豊富な先生や熱意のある先生が多く、卒業後も生徒から慕われている先生も多くいます。
【派遣資格(一部)】
- 日本での勤務成績が優秀であること
- 海外子女教育について深い理解と熱意を有すること
- 現地各国の厳しい生活環境,教育条件からくる困難な状況においても,忍耐強く同僚と協調して,職責を遂行する堅固な意志と気力を有すること
- 同伴家族とも,心身ともに健康であり,よく周囲と協調して,長期間の海外勤務生活に耐えることができること
ジャカルタにいると、自らが日本人であることを強く認識する方は多いのではないでしょうか。程度の差はあれ、これは大人に限らず子供も感じているかも。
JJSでは、インドネシアという異国の地で日本人として学べる貴重な体験ができるでしょう。
一方、ジャカルタが日本と異なる生活環境であるがゆえに、夕方まで厳しい練習を行う部活動や厳しい縦社会など、日本人学校では学びにくい要素があるのも事実です。
JJSってどういう学校?
ジャカルタ日本人学校は通称JJS(Jakarta Japanese School)と呼ばれ、ジャカルタ在住の小・中学生の9割以上はジャカルタ日本人学校に通学しているでしょう。
もし家族帯同でインドネシアへの赴任が決定したら、お子さんがどのような学校で学ぶのか、不安になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ジャカルタ日本人学校についてできる限り詳しく紹介します。また、幼稚園について詳しく知りたい方は、下記の記事にまとめています。
まず、ジャカルタ日本人学校の概要は以下の通りです。
ジャカルタ日本人学校(英:Jakarta Japanese School(JJS))
生徒数及び教職員数:下段表参照(2019年度)
≪小学部≫
学年 | 組数 | 男子 | 女子 | 全体 |
---|---|---|---|---|
1年 | 5 | 79 | 75 | 154 |
2年 | 5 | 68 | 51 | 119 |
3年 | 5 | 83 | 82 | 165 |
4年 | 5 | 76 | 71 | 147 |
5年 | 5 | 68 | 56 | 124 |
6年 | 4 | 55 | 56 | 111 |
男子 | 429 |
---|---|
女子 | 391 |
全体 | 820 |
日本の国公立の小学校の平均生徒数は300人超。一方、JJSは企業の駐在員の子供がほとんどで、ジャカルタ日本人学校は平均的な小学校の倍以上の規模。
駐在員のお子さんが多いゆえに政治や経済状況によってその数は大きく増減するものの、2019年4月現在はタイや上海などに次ぐ世界で4番目に大きな日本人学校です。
≪中学部≫
学年 | 組数 | 男子 | 女子 | 全体 |
---|---|---|---|---|
1年 | 3 | 50 | 45 | 95 |
2年 | 3 | 45 | 32 | 77 |
3年 | 3 | 29 | 32 | 61 |
男子 | 124 |
---|---|
女子 | 109 |
全体 | 233 |
お子さんが中学生の時にジャカルタ赴任が決定した場合、単身赴任をする方も多いと思います。そのため、中学部の生徒数は小学部に比べると少ないですが、それでも1学年3クラスある中規模な学校といえるでしょう。
≪教職員(日本人)≫
校長(教頭) | 1(2) |
---|---|
教員 | 59 |
保健室 | 1 |
事務 | 2 |
合計 | 65 |
≪教職員(インドネシア人、その他)≫
教員 | 0 |
---|---|
英会話 | 10 |
インドネシア語 | 5 |
保健室 | 2 |
事務 | 11 |
施設管理 | 22 |
合計 | 50 |
日本人の教員は59名おり、小・中学部生徒17.8人に対して1人の先生がいる計算。日本の国公立私立小学校の場合、教員1人に対し生徒は21.1人なため、教員1人が受け持つ生徒数が3.3人ほど少ない数値となります。
人数がすべてではありませんが、教員数は十分であるといえるでしょう。加えて、日本の小学校の教員の約20%は55歳以上ですが、JJSの教員はいわゆる「おじいちゃん・おばあちゃん」先生はおらず、エネルギーのある魅力的な先生が多くいるのが特徴。
ジャカルタの日本人学校ってどうなの?その評判は?
学校は保護者にとって手の届かない閉鎖的な空間。子供たちはそこで気付かぬうちに成長するのですが、“良い学校”であるに越したことはありません。
“良い学校”の定義は人それぞれですが、ここではJJSについて、学力面の定量的な評判とそれ以外の日常生活の定性的な側面から紹介します。
学力面について
学力を測る数値として分かりやすいのは卒業生の進路でしょう。ジャカルタ日本人学校の小学部の卒業生の7~8割はそのままジャカルタ日本人学校中学部に進学し、残りは日本の私立・公立中学に転入します。その為、ここでは中学部の進路・進学実績について説明します。年度によって誤差はありますが、大凡は以下の通り。
- 国公立高校:20%前後
- 有名私立高校(早慶付属、MARCH付属、関関同立付属、南山付属 等):55%前後
- 早稲田渋谷シンガポール校:15%前後
- Jakarta International School、NJIS、AIS:5%前後
- その他(現地高校、オーストラリアの高校等):5%前後
10年ほど前はジャカルタのインターナショナルスクールやオーストラリアの高校への進学がもっと多かったのですが、近年では国内の高校への進学が増えている傾向にあります。
【※下記にJISと比較した内容があるので、下を引き続きご覧ください。】
日本の中学校の進学先の多くが地元高校であるのに対し、驚異的な進学実績を誇る中学校といえるでしょう。
帰国子女枠を活用した入試がその大きな要因ですが、総じて優秀な生徒が多いのが特徴です。日本の公立中学で優秀な成績を収めていても、JJSでは中位(若しくはそれ以下)になるということも大いに考えられます。
優秀な進学実績を誇る理由の1つに塾通いをしている生徒数の多さが挙げられます。進路が現地校以外のほとんどの生徒は高校受験を見据えて小学生のうちからジャカルタ市内にある日本の塾に通います。
そのため、通常学校で勉強する内容は既に勉強していたり、理解していたりする為、残念ながら学校の勉強だけでは置いて行かれてしまう可能性もあるでしょう。
もちろん、先生がしっかりと教えてはくれますが、多くの生徒の理解力が高いため、勉強が進むスピードは日本の公立校よりは断然に早いでしょう。
結果的にジャカルタ日本人学校の卒業生の進路は有名進学校が多いですが、帰国子女枠入試の対策を行っている塾の力も大きいといえます。
日常生活について
冒頭でも述べた通り、JJSの特徴の1つはその一体感にあります。子供たちにとって、インドネシアという異国の地で同じ日本人が集まる場所は学校のみ。
言葉を換えれば、ジャカルタで最も日本っぽい空間はこのジャカルタ日本人学校といえます。良くも悪くも、10歳前後の年齢の子供たちの全てはジャカルタ日本人学校に詰まっています。
小学生は家を出てから帰るまでの時間を精一杯楽しむでしょうし、中学生にもなると、いずれ離れ離れになってしまうと分かっている友人達と限りある時間を楽しむことでしょう。
ジャカルタ日本人学校の教育理念は、下記のようなものとなっています。
~ジャカルタで学ぶことの素晴らしさを実感する教育(ジャカルタが好き)~
生徒はさまざまなイベントや体験を通して、自然と心豊かでたくましく育つのでしょう。
JJSではインドネシアの文化を学んだり、現地の学校と交流を行ったり、ジャカルタにある日本人学校でしか学べないことが沢山あります。子供たちにとって、唯一無二の経験ができることは間違いありません。
そのような環境を作り出す背景として、体育祭やJJSフェスティバル(学園祭)、修学旅行などのイベントが大きく影響しています。それぞれのイベントについての詳細は別記事があるので、そちらを参照ください。
日本人学校の学費をインター校と比較
家族と共に駐在する場合、子供の学費は一部会社負担で賄われることがあると思います。ジャカルタ日本人学校は私立校な為、年間の授業料はRp52,272,000(約40万円)+バス代(約34万円)です。
その他、所属企業または個人が日本人学校維持会の会員でなければならず、入会に際してRp.38,100,000(約30万円)が必要となります。一方、インターナショナルスクールの中学部(最も有名なJakarta Intercultural Schoolの場合)は年間約300万円でかなり高額なため、会社の学費補助との比較が必要になってくると思います。JISに関しては別途詳しく解説した記事があるので、下記ボタンからご紹介します。
JJSへの通学方法
日本人が多く住む南ジャカルタからは車で1時間ほどです。多くの生徒は通学バスを利用します。通学バスはBlue Birdの大型バスがアパート前まで送迎してくれ、運転手の他にチャップロンと呼ばれる添乗員が人数の管理や緊急時の対応を行ってくれます。
同じアパートや近所に住む人と同じバスを利用するので、車内で仲良くなることも日常茶飯事。費用が年間Rp.44,177,000(約34万円)するのがネックです。なお、自家用車で通う生徒もおり、ご家庭の事情に合わせてバスか自家用車の選択が可能。
JJSについてのまとめ
子供を連れての初めてのジャカルタ赴任の方は、子供の教育環境を心配する方が多いと思います。しかし、ジャカルタの場合でしたらその心配は不要です。日本の公立校よりは遥かに良い環境が整っており、子供たちも幼少期から異文化を体験できる貴重な環境で過ごせること間違いなし。
インドネシアの生活全般では不便なことは多いですが、学校生活においては何の問題もなく過ごせます。それどころか、日本中に友達が増え、帰国後も頻繁に連絡を取ったり、会ったりしている卒業生もいます。ジャカルタ赴任になった際は、是非お子さんも連れて赴任されてはいかがでしょうか。
電話番号 | 021-745-4130 |
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公式サイト | http://www.jjs.or.id/ |
住所 | JL.Titihan Raya, Bintaro Jaya Sektor 9 Parigi-Pondok Aren, Tangerang Selatan, Indonesia 15227 |