インドネシアの旗ってどんなデザイン??何らかのきっかけでインドネシアの旗に対する興味を抱くことがあるのかもしれません。インドネシアの国旗は上下に紅白の色を用いたデザイン。日の丸も同じ紅と白の2色を使っており、親近感を抱く方もいるのではないでしょうか。インドネシアの国旗は上の写真の通り。
- インドネシアの国旗はモナコのデザインとは何が違うの!?
- インドネシアの国旗はほかの国のデザインと関係あるの?
といろいろな疑問が浮かんできます。この記事では、インドネシアの国旗についての基礎知識から他国との関係についてまとめています。インドネシアの国旗について知りたい方は是非参考にしてください。
記事の目次
インドネシアの国旗の概要!
インドネシアの国旗について知るうえで欠かせないのが「Sang Saka Merah Putih(サン サカ メラ プティ)」という言葉。
それぞれの単語の意味は以下の通り。
Saka:家宝/遺贈を意味するPusakaの略
Merah:赤/紅
Putih:白
Sakaを省略し、「Sang Merah Putih」と表現することもあります。また、日本人のスポーツ選手が「日の丸を背負って戦うからには…」と言うように、インドネシア人のスポーツ選手は「Sang Merah Putih(紅白)を…」と言ったり、国章に描かれている神鳥・ガルーダを用いて「ガルーダを胸に戦います!」と言ったりします。
その他にもインドネシア語で国旗を表す言葉として、Sang Dwiwarna(二色)や、Bendara Pusaka(家宝の旗)などがあります。オリジナルのBendara Pusakaは、初代大統領スカルノ氏の夫人Fatmawati氏が縫った旗で、現在は国宝扱いで厳重に保管されています。
本来、「Sang Merah Putih」はオリジナルのBendara Pusakaのみを指しますが、今ではインドネシアの旗全てをそのように呼びます。
それではこの紅白2色の旗が意味するデザインの背景と紅白の色が使われるようになった理由を解説していきます。
赤は勇気で白は純潔!?
国旗に用いられる色や形にはそれぞれ意味があり、インドネシアも例外ではありません。例えば、かつてのリビア、インド、スリランカ、バングラディシュのデザインはイスラム教の伝統や最高の色とされる緑を使っているデザインですし、ヨーロッパの一部の国で見られるスカンディナヴィア十字はキリスト教やデンマークの国旗に関係があったりします。
インドネシアの旗のデザインの赤は勇気や自由の象徴といわれており、白は真実や潔白、正義を表すとされています。それではこの「紅白」が使われるようになった由来を辿っていきましょう!
オランダに統治されていた1930年頃に、現地のインドネシアの学生がナショナリズムの表現として赤と白の旗が使ったことが独立前の最も新しい情報です。
その赤と白の旗は13世紀のマジャパヒト王国の時代に使われていた旗が由来しているとされています。なお、現在のインドネシアの海軍の船首旗/艦首旗は、偉大な海上戦力で名高いマジャパピト王国の旗(上記写真)を用いています。
しかし、更にさかのぼると、東アジアのモンゴロイドを祖先とするオーストロネシア人の神話に起因するのではとも考えられています。
オーストロネシア人を祖先に持つ人々が住むマダガスカル、タヒチやポリネシア(いずれもフランス領ポリネシア)のデザインの一部にも紅白が使われています。その場合、赤は母なる地球、白は父なる空を表しているとされています。
赤と白という色自体にも長きに渡り受け継がれた理由があるかもしれません。白は綿織物の自然な色ですが、赤はチークの葉、マンゴスチンの皮からも得られる天然塗料。古代から染色しやすい色だったそうです。
オーストロネシアの民族がいる国の国旗
祖先をオーストロネシア人に持つ民族が住む国や地域でも、別の国の自治領として存在している場合、本国の国旗の影響を受けるため、全く関係ない旗になることもあります。
また、モナコとインドネシアのように全く関係性が無いにも関わらず、偶然にも類似したデザインも。関係がある可能性のある旗のデザインとしてお楽しみください。
【フランス領ポリネシア】
【マルキーズ諸島】
【トンガ】
【マダガスカル】
インドネシアフラッグデザインと似ている国旗~番外編~
【モナコ】
最もインドネシアのデザインと酷似しているのがモナコ。インドネシアの旗と縦横の比率が2:3に対し、モナコは4:5。国連やオリンピックの場では旗の比率を2:3で統一される場合があるので、全く同じデザインとなってしまいます。
【ポーランド】
インドネシアの旗を反転させたデザインを持つポーランド。こちらもよくインドネシアと混同されがちなデザインです。
インドネシアの国旗についてのまとめ
日本にいると、街中で国旗を目にする機会は少ないのではないでしょうか。インドネシアにいると、ジャカルタ中心地のホテルに国旗が掲げてあることが多いことからか、紅白の旗を頻繁に目にすることがあります。これまでの旗への見方が少し変わるかもしれません。
そして注意することが一点。インドネシアでは、国旗を引き裂いたり、燃やしたりしたら罪に問われます。国旗を天井に吊るしたり、物を包んだりなど、名誉を傷つける行為も禁止されています。モナコの旗でやったらどうなるのかは不明ですが、全世界共通、自国の旗やシンボルとなるものを傷つけられることは見てる側も良い気持ちにはなれません。旗のみならず、紙幣やシンボルとなるような物の取り扱いには注意した方が良いでしょう。