世界第4位の人口を誇るインドネシア。インドネシアに興味がある方やバリ以外のインドネシアをあまり知らない方も多いのではないでしょうか。
- インドネシアってバリ島以外に観光地ってあるの?
- ジャカルタに住んでいてインドネシア国内の小旅行がしたい!
- インドネシアの特異な街に旅行したい!
とお悩みのあなた。そんな方はインドネシアのメダンで食べ歩き旅行をしてみてはいかがでしょうか。
実際に食べ歩き旅行をした内容の一部を紹介します。是非自らの足で訪れてみてはいかがでしょうか?
記事の目次
メダンってどんな街!?
メダンはインドネシア・スマトラ島東北部に位置する都市で、人口規模はジャカルタ、スラバヤ、バンドンに次ぐ4番目。インドネシアの首都ジャカルタよりマレーシアやシンガポールに近い距離にあります。
人口は2百万人を超え、北海道の札幌市より少し大きい規模の都市です。
メダンはオランダ統治時代にタバコやゴムなどのプランテーション農園の開発により、ゴムなどの作物の集荷地として栄え、その時代に華人(華僑)やジャワ人の移民労働者が多く移り住みました。
インドネシアの中でも多文化の街、メダン。今回はそんなメダンでの食べ歩き旅行を通してメダンの魅力に迫ります!
メダンへのアクセス方法
日本からのアクセス
成田、羽田からメダンへ旅行に行く際は、ジャカルタ、クアラルンプール、シンガポールからの乗り継ぎが必要です。
東京から行く際は、エアアジアのクアラルンプール経由の便が最もリーズナブル。
直行便が無いのは不便ですが、クアラルンプールやシンガポールの街も旅行できるので、トランジットを有効活用するのもおすすめです。
ジャカルタからのアクセス
ジャカルタからは早朝から夜便まで多くの直行便があり、好きな時間のフライトの選択が可能。フライト時間は2時間ほどなので、早朝に出れば日帰り旅行もできます。
食事以外の旅行も楽しみたい方は1泊以上がおすすめですが、ジャカルタから気軽に旅行に行ける距離にあるのは旅行者にとっても嬉しい点ではないでしょうか。
リーズナブルなバティックエアで快適空の旅!
バティックエアは比較的定時運行に定評のあるキャリアですが、1時間近く遅延することも稀にあるので、予め覚悟しておくとストレスも軽減されるのではないでしょうか。
尚、機種によって異なりますが、全席液晶モニターがついており、日本語選択が可能な液晶モニターが付いている機種もあります。日本の映画等は全くありません。
機内食はデザート付きのお弁当。日によって違いますが、今回は鶏のから揚げ弁当とカップケーキ。唐揚げは熱々で味も悪くありません。
しかし、小旅行でメダンでのディナーに備えたいのであれば、機内食は控えめに。
メダンの国際空港クアラナム
ジャカルタからメダンのクアラナム国際空港(KNO)までのフライトはおおよそ2時間弱。
このクアラナム空港はとにかく綺麗!
天井の高さと白っぽいところが関西空港と雰囲気が似ています。2013年に完成したとあってまだ新しいです。
快適な空港鉄道でメダン市内へ
クアラナム国際空港からメダン市内までは車でおおよそ1時間。
距離にすると約30kmです。タクシーを使った場合の料金は約Rp.100,000(750円)。
また、メダン市内まで直通の電車があり、日中は1時間に2本ほど走っています。市内までの乗車賃は一律Rp.100,000で約50分。タクシーとあまり大差はないので、日中の渋滞を避けたい方は電車の利用がおすすめです。
海外の電車に興味のある旅行者や電車に揺られながら外の景色を楽しみたい旅行者の方は、是非電車を利用してみてはいかがでしょうか。
尚、乗車券は券売機、あるいはカウンターで購入(クレジットカード利用可)できます。乗車券はICカードレシートタイプとICカードの2つ。ICカードは改札で使います。
全席指定ですが、座席等が書かれているレシートは念のため保管するようにしましょう。
ほぼ定刻通りにメダン駅に到着。訪れたことのない街の外の景色を楽しんでいるとあっという間です。電車内はまだ新しいためかとても清潔。座席によってはエアコンの風で寒さを感じるため、上着を持ってきた方がいいかもしれません。
旅行者のお財布に優しいリーズナブルなJWマリオットやSPGのフォーポインツホテル以外にも有名なホテルはメダン駅の近くにあり、徒歩で駅から宿泊先のホテルへ行く旅行者も多いです。
メダン独特の乗り物『ベチャ』とは?
メダンの乗り物で是非乗っていただきたいのはベチャ。バイクの横に車が付いている乗り物で、ジャカルタには無い形です。
ベチャは自転車の前にかごが付いている乗り物も指し、いくつか種類があるのかも知れません。
(写真:一般的なベチャ。Instagram:radensyarief17)
尚、インドネシア語のベチャの日本語訳は「客席付自転車」なので、自転車にかごが付いているベチャを指すのでしょう。
メダンの補足情報
メダンで食べ歩き旅行をおすすめする理由の1つは他民族が集まる地域なため。
民族が多い地域の料理は様々な味が融合して美味しいといわれています。
メダンはインドネシアがオランダ統治下のあった時代からプランテーション農園の中心地でした。そのため、農園開発の際に多くの中国系移民が移り住み、中華料理が根付いたという背景があります。
また、メダンにはスマトラ島北部にあるトバ湖周辺を起源とするバタック族もいます。現在では、メダンやパダンなど北スマトラの料理や人のことを指します。
そのため、メダン出身の人はインドネシア語でOrang Batak(バタックの人)といいます。インドネシアの宗教の約9割がイスラム教であるのに対し、メダンの宗教比率はキリスト教が多い点もメダンの特徴の1つ。
インドネシア国内でありながら、ジャカルタとは違った雰囲気を感じることができるのもメダン旅行の面白いポイントです。
バタック料理『Arsik ikan mas(鯉の煮付け)』
(Instagram:arsik_jakarta)
メダン市内には観光資源があまりなく、旅行者の遊ぶところは限定的ですが、メダンにはバタック料理と中華料理の安くておいしい店がひしめき合っています。
最初はやはりバタック料理。写真は日本語では『鯉の煮付け』という意味のArsik ikan masです。見た目は辛いですが、食べてみると刺激的な辛さは感じられず、日本人旅行者も食べやすい味付けです。
鯉はインドネシア人にも「ikan mas = 骨が多い魚」という概念が浸透しているほど、骨が多い魚。しかし、淡白な身でさっぱりした味は煮込み料理にはもってこい。身が淡白なのに対し、タレの味は濃く、それが絶妙にマッチングしています。
メダンの華僑飯は間違いなし!
華僑が多いメダンは中華料理も有名。メダン市内には多くの中華屋台やお店が連なっているスポットがあり、旅行者も多く訪れます。
メダン駅の東に位置しているJl. Selat Panjang(スラット・パンジャン通り)はおすすめエリアの1つ。Jl. Selat Panjangだけでなく、周辺の通りにも多くの店が連なっています。
夕食前にこの周辺を散策するだけでも旅行者にとっては十分楽しめます。
偶然入ったお店のハイナン・チキンライス(海南鶏飯)が美味!驚くべきはライスの味付け。チキンライスの難しい点は鶏出汁を使ってライスを炊くところです。
独特のパラパラライスに仕上げるのは難しく、べちゃっとしたチキンライスになってしまいます。しかし、この店のチキンライスは、コクがありライスにしっかり鶏の出汁がしみ込んでおり、一口食べた瞬間に衝撃を受けるほどの美味しさ!
通常チキンはスチームなのですが、ここはロースト。それ以外に煮卵や小さいえび天もついていて、パラパラ鶏出汁ライスとの相性抜群です!スプーンで休まずライスを口に運ぶことができるでしょう。
なお、このハイナン・チキンライス(海南鶏飯)、Nasi Ayam Hainanとインドネシア語ではそのまま訳されています。
おわりに
バタック族や華僑の多いメダン。インドネシア第4の都市でもあり、独特の異彩を放っている街です。
メダン市内には、Graha Maria Annai Velangkanni教会や観光特区に指定されたトバ湖があったり、先ほど紹介したグルメがあったりと、小旅行にはうってつけ。
尚、トバ湖は約7万3千年前に火山が爆発してできたカルデラ湖で、周囲が100㎞を超える東南アジア最大の湖です。
今回は紹介できませんでしたが、ドバ湖も観光スポットとして旅行者には人気があります。
ちょっとした休みができた際に是非メダンへ訪れてみてはいかがでしょうか?